色々なカメラで写真を撮ってみると、メーカーや機種によってシャッター音が全く違うことに気が付く。
個人的に、最近使っているNikon Z6iiiのシャッター音は好きだ。まな板の上でセロリの茎を切り落とした時のような、「サクっ」という気持ちの良い音。小さくても上品な音だと思う。同時に、シャッター幕が作動する振動が、グリップから手の内に伝わってくる。
こういうのを「シャッターフィーリング」と呼ぶらしい。好みのシャッターフィーリングで撮影しているだけで、不思議なことに撮る行為が俄然、楽しくなったりする。特に屋外で写真撮影をしていると、その音と振動の広がりは、また違った響き方をしてくる。
大げさな言い方だけど、機械であるカメラに生命力を感じさせるような効果が、シャッターフィーリングにはあると思う。だから、その響き方が自分に合うかどうかで、さらにそのカメラを好きになったり、逆にあまり愛着が持てない場合もある(あくまで個人的な経験談として)。
ついでに個人的な感想を書いておくと、Z6iiiのシャッターフィーリングがとても気持ち良いと感じるのは、シャッター速度 1/20 〜 1/250 まで。
1/250 以上にシャッター速度を上げると、シャッター幕の動きの変化に合わせ、「サクっ」という澄んだ音から、残響を伴ったような「ジャっ」という響き方に変わる。どちらが好みなのか?それは人によると思う。
以前、Z6iiとZ7iiも使ったことがある。Z6iiiとだいたい同じようなシャッターフィーリングだった。もしかしたらZ5、Z6やZ7も、似たような感じなのかもしれない。
Z6iiiと併用しているZ8は、残念ながら機械的なシャッター機構ではなく、電子シャッター機構を採用している。だからシャッターフィーリングというもの自体が存在しない。代わりにスマホのように、電子音による擬似的なシャッター音がカメラのスピーカーから流れる。
仕方がないけど、やっぱり寂しいなと思うこともある。流石にもう、慣れてきた感はあるが。
そういえばずっと前に使っていた、デジタル一眼レフ時代のカメラの中でも、Nikon D90も心地よいシャッターフィーリングだったように記憶している。僕はCanonとFujifilmのデジタル一眼レフ、ミラーレスカメラは所有したことがないので、どんなふうなのかは全く知らない。とても気になるところではある。
シャッターフィーリングは、フィルムカメラからミラー機構を内蔵した一眼レフカメラ、ミラーレスカメラ、メーカーや機種によって、それこそ全くと言っていいほど違う。自分の好みの音や振動に出会えるのは、幸運なことだと思う。
自分のカメラのシャッターフィーリングを気に入っているかどうか?ということは、意外と「撮影中の幸福感とモチベーションに大きな影響を与える」、と個人的には思う。