キャンプ好きの友人に誘われ、初めてカヤックで川下りを体験しました。
カヤックと聞くと、道具の購入や運搬など、ハードルが高い印象がありました。
しかし、最近では空気を入れるタイプ(インフレータブル)のカヤックも販売されているようで、運搬もしやすく、価格も手頃になり、それほど手が届かない遊びでもないそうです。
10月中旬の日曜日、友人のインフレータブルカヤックを貸してもらい、4時間ほどかけて川下りを楽しみました。
集合場所は、大分県と宮崎県の県境にある、北川町という地域を流れる川。
僕の車はゴール地点の下流に停めておき、友人の車で上流へと移動します。上流からカヤックでゴール地点まで下ったら、今度は僕の車で上流のスタート地点へ移動するというわけです。
カヤックは空気を抜いた状態で大きな袋に入っていました。10Kgほどの重さがありますが、これなら1人でも持ち運べます。
空気を入れるのに少々時間はかかりますが、友人は電動空気入れを使い、一気に膨らませます(大きさがあるので、手動では大変だろうと思います)。
今回お借りしたのは2名乗れる大きさのカヤックで、長さは3mほど。
水没しても大丈夫なように、防水のカメラバッグにカメラを入れ、お昼休憩に食べるための袋ラーメンなどが入ったザックと一緒にカヤックの先端に押し込みます。
ライフジャケットを付けたら準備完了。
カヤックを浅瀬から川に押し出し、タイミングを見計らって飛び乗ります。気温も高く、川の水は冷たくはありませんでした。
はじめてカヤックに乗った感想は、想像以上に大きく、バランスも安定している。インフレータブルなので不安定なのかなと思いきや、フワフワした感じはせず、安心して乗っていられます。
パドルの扱いは事前に少し聞いていたのですが、始めのうちは慣れず。
とにかく動かしてみる。しばらく動かし続けていると、それなりに違和感なく動かせるようになります(合っているかどうは別にして)。
川を下っていくと、左右にはどこまでも続く里山と、時折ぽつりぽつりと、のどかな村落が顔を出します。
狭くて流れの早い渓谷が続くような場所を想像をしていたのですが、実際には川幅は広く、流れも緩やかです。
時には橋の下を通ったり、線路の横を通ったり。牧歌的な風景を眺めながらのんびりと進んでいきます。
水面を覗くと、川底が見えるくらいの透明さがあり、深さのある場所では濃い青と緑の混じったような色で、奥まで覗き込むと岩石のような不思議な形をした広い空間が広がっています。
自分の浮かんでいる場所のすぐ下に、広くて青い、別の空間が広がっているという感じは、ちょっと不思議な気分でした。
カヤックの上は、意外にも静かです。
とは言え、ところどころで少し流れの早い瀬があります。そういう場所ではあらぬ方向に進まないよう、なるべくカヤックの底を浅瀬でこすらないよう、パドルを忙しく動かします。
思い通りに進んでくれた時は、川の流れと一体になれたような心地良さを感じます。
気がつくと、夢中になっていました。
途中、川沿いにカヤックを寄せて昼食。ザックからバーナーとケトルを取り出し、袋ラーメンを作ります。箸を忘れていたので、小枝で即席の割り箸を作りました。
例によって、外で食べるとなんでも美味しいのです。
カヤックでなければ行けない場所、ということもあって、気分は無人島(?)。
「ここでキャンプをしたら楽しそうだな」と、考えずにはいられません。
道具をカヤックに乗せ、移動してキャンプ。夢は広がります。