立会い出産の感想 – 旦那から見た当日の体験談・出産までの全記録

立会い出産の感想

今月で娘が2歳になり、そろそろ次の子を、という話になっています。2年前の出産の日の思い出話をしていると、妻から次の出産も立ち会って欲しいという要望がありました。
長女の出産に立ち会った経験から、喜んで次回の出産にも立ち会いたいと考えています。

そんなことを思いつつ、ふと、立会い出産についてネットで調べていて、驚きました。意外にも、立会い出産についてネガティブな意見がたくさんあるんですね。知りませんでした。
立会い出産は、ほとんどの夫婦が前向きに考えているもの、と思っていたので、そうじゃない人も多いという事実に、改めて考えさせられました。

夫として、出産には立ち会った方が良いのでは?と考えていましたが、ネガティブな意見を丁寧に読んでいくほど、「確かに、そういうケースもあるのかも..」という気がしてきます。
僕たち夫婦の場合は、両方が立会い出産に前向きでしたし、事前準備をする余裕もありました。そのおかげで、当日もスムーズにいったのかもしれません。

もし、どちらか一方が少しでも立会い出産に後ろ向きなら。もしくは、心の準備ができていないのなら、無理に立ち会わないほうが良いのかもしれません。

今回の記事は、僕たち夫婦が立会い出産を選んだ理由や、当日までの準備、実態に立ち会った感想。それから、立会い出産を終えて価値観がどのように変化したのか?当時の記憶を思い返しながら書いてみます。

出産の日のことを思い出しながら書いていたら、どうしても本文が長くなってしまいました。

立会い出産を決断した理由

単純に、僕が出産に立ち会おうと思った一番の理由は、妻の希望があったからです。もし妻が立ち会ってほしいと言わなければ、立ち会い出産についての知識はほとんどなく、そういうことをしようとすら思わなかったと思います。これが偽らざる事実。
「立ち会い出産」という言葉すら、よく知らなかったのです。

妻が希望した理由

では、なぜ妻は立ち会い出産を希望したのでしょうか?この機会に、本人にあらためて聞いてみました。
「出産は初めての経験だし、一人だと不安。少しでも不安を和らげたかった。一緒に居たほうが、心強い。」

これが、一番の理由だそうです。他にもあります。

「感動を分かち合いたかった。」

これが奥さんの理由ですが、僕が事前に想像したのとほとんど同じ答えでした。

助産師さんの言葉

出産の数ヶ月前、病院で、妊娠中のお母さんを対象とした「母親学級」というのがありました。ここで、出産までに準備することなどを詳しく学びます。この時、助産師さんの話を聞き、僕にとって立ち会い出産についてのイメージが少し変わります。
助産師さんの言葉をそのまま伝えると、初めての出産は「肝試し」のようなもの。妊婦さんは、これまで経験したことのない、真っ暗闇の恐怖の中を歩かされるという例え話しでした。

「お母さんにとっては、未知の恐ろしい体験です。でも、一人よりも、二人の方が少しは安心して乗り越えられるでしょ?」

なるほど。こんな僕でも、居ないよりは居た方が少しは妻の心の支えになるかもしれない。

立会い出産と旦那の本音

とはいえ、これも正直に書くと、この時の母親学級の出産のビデオを観て、ちょっとびびってしまいました。僕は、「流血」にはそんなに強い方ではありません。人が苦しんでいる姿を真横で見るのも未知の経験。大丈夫だろうか?
妻が泣き叫ぶ姿や、血液を間近で見るのは、やはり辛いし、怖い。情けないですが、これも本音です。

でも考えてみれば、実際に出産する女性はそんな不安より、ずっと大きな不安と戦っています。だとすると、少しでも妻の恐怖や不安を和らげることができるのなら、その場に立ち会いたいものです。自然と、立ち会い出産に前向きなな気持ちになります。
妻の前で不安な姿は見せられないと思うと、気持ちのスイッチが切り替わります。こちらがほんの少しでも不安になってしまったら、気持ちが伝染してしまいます。

「妻を安心させよう」という気持ちに切り替えると、出産当日もそれまでも、意外と落ち着いていられました。

立会い出産までの準備

産婦人科によっては、夫も母親学級に参加することができます。僕たちが通った産婦人科も、出産前に母親学級があり、夫も参加することができました。
それ以外にも出産当日に慌てないために、なるべく病院に通う機会を作り、その場に慣れておくことは重要だと思います。

母親学級に妻と参加

仕事の都合をやり繰りして参加するのは、正直、気が乗りません。妻には申し訳ないのですが。これも本音です。しかし今振り返ると、母親学級のおかげで出産当日に向けて気持ちの準備をすることができました。振り返ってみると、参加して本当に良かったと思っています。

母親学級で得られること

勉強

実際に参加してみると、男性(夫)の参加人数は、すごく少なかったです。僕の場合、この母親学級で、出産までの妊婦の体の変化を学びました。それまで、きちんと学習する機会がなかったのです。他にも、夫が母親学級に参加するメリットは、たくさんあります。
助産師さんや看護師さんと顔を合わせることができます。当事者から話を聞けば、当日どういう雰囲気になるのか、ほんの少しでもイメージが湧きます。

ただでさえ病院の雰囲気は独特。出産当日になって、行ったこともない病院に足を踏み入れるのは多少は緊張しますよね?
妻の陣痛が始まると、さらに緊張します。普段頼りになる妻も、当日は痛みのせいで余裕がありません。出血が起きてパニックになっているかもしれません。

夫が事前に心の準備をしていないと、当日妻をスムーズに病院まで連れていけません。病院に足を運ぶほど、着実にその場に慣れることができます。
出産前に病院、医師、看護師さん、助産師さんに、可能な限り顔を合わせておいた方が良いだろうなと、僕は思います。

母親学級での勉強が役に立った

当日の呼吸法やラマーズ法について教えてくれました(病院の方針によって、内容に違いがあるかと思いますが)。こういう情報、男性は、あえて勉強しようと思わない限り、知ることはないと思います。
ラマーズ法は、夫も妊婦と同じようにその場で練習しました。出産当日に妻の気持ちを落ち着かせ、痛みを多少なりとも緩和させるのに効果的だったと思います。
真面目に勉強しておいて良かったなと思います。

立会い出産 – 当日の記録

ここからは、僕の主観的な記録がたくさん入っており、文章が長くなってしまっています。すみません。
当日の雰囲気を知りたいという方に、参考になれば。

病院へ向かうまで

時計

我が家は、予定日に無事出産しました。

予定日前日、23時半ごろに前駆陣痛が始まります。それまでにも、妻が何度か「あ、、きたかも?!」と言うことがあり、おかげでちょっと慣れていました。しかし、今回は緊迫感が違う。今度は本当かもしれない。。緊張感が高まります。
あらかじめ、こうなった時のために病院の専用回線の番号をメモしていました。この時、妻はまだ話せたので、妻が自ら病院に電話をして状況を詳しく質問されます。一通り確認を終えると、さっそく「病院に来てください」と言われます。

病院まで妻を乗せて運転。そろそろだろうと思ってはいたけれど、運転中は少し緊張します。妻に負担をかけないよう、緊張していないように振る舞います。いつも通りの口調で後部座席の妻に話しかけます。
絶対に、事故だけは起こさないように。急がないといけないけれど、スピードは出さないように。車が揺れないように。複雑な運転です。

下見をしていたおかげで

産婦人科には、妻と一緒に何度か来ていましたが、出産当日は初めて来るみたいに感じます。夜間に来たことがなかったのです。ここまでの道のりも病院の外観も、いつもと雰囲気が違うのです。

出産当日に入る入り口や、専用駐車場の場所も事前に下見しておいて良かったなとつくづく思います。夜間に陣痛が始まった妊婦さんのために、専用の駐車場があるのです。
車を停めると、担当の助産師さんが入り口で待っていてくれていました。そのまま通用口に案内されます。

病院に着いてから

妻に付き添い、狭い診察室へ通されると、まず子宮口を確認されます。やや年配の、初めて会う助産師さんでした。とても丁寧な方で、この人が担当になってくれたことは今でも幸運だったなと思います。
診察中、僕は病院の廊下で待っています。

助産師さんの確認が終わり、子宮口はまだ2センチ程度しか開いていないことが告げられます。本格的な陣痛、出産まで、まだまだ時間がかかるということ。
まだちょっと早いから、自宅で待機していてもいいし、病院の個室で待っていてもいいと言われます。
結局、助産師さんの勧めで病院で待機することになります。モニターを付け、準備万全な状況で待ちます。

助産師さんが妻に付き添ってくれましたが、妻の顔に、少し不安が浮かびます。

帰宅することに

妻のことが少し心配になりつつも、僕は家族が待機するための個室に通されます。そこで、陣痛が来るまで待つことに。
時刻は深夜12時過ぎだったと思います。部屋を暗くして眠ろうとするけど、もちろん眠れません。しかし、無理をしてでも眠らなければ。

しばらくして、やっとウトウトしかけた時に、突然部屋をノックされ、助産師さんが入ってきます。この時、深夜2時半くらいだったはず。「とうとう来たか!」と思うと、そうではなく、妻が一度自宅に帰りたいと言い出したとのこと。
あとで妻に聞いてみたところ、助産師さんがずっと隣に居て背中をさすってくれるけど、それが落ち着かなかったそう。

いつやって来るのかも分からない陣痛。自宅から病院まで、車で10分ほどです。
その時が来てから病院へ向かっても間に合うはず。いちばん落ち着く自宅で待機していたいという妻の気持ちも分かります。

陣痛が始まる

深夜3時、一度自宅に帰るのですが、なんと自宅に帰った途端、陣痛が始まってしまいます。しかも感覚が短く、強い痛みが続いている様子。トイレに入った妻の顔は、これまでになく緊張した表情。出血していたのです。

陣痛に、出血。。もしかして破水?

迷わず病院に電話をして、すぐに病院へUターン。この時ばかりは、僕も少し焦りました。妻は、明らかにこれまでとは違う痛み方をしています。ほとんど話せません。呼吸が乱れ、痛みに耐えられなくなり、苦痛の表情を浮かべています。

運転をしながら、一緒に呼吸法を実践します。たしか、陣痛が来た時は、こういう呼吸だったな。こちらで大きな声で呼吸を始め、妻がそれに合わせます。呼吸に集中すると、妻も少し楽そうです。
母親学級では、呼吸が乱れたり大声をあげたりするほど、余計に痛みを感じやすくなると教えられました。痛みを感じる時ほど、呼吸法に集中した方が気持ちも痛みも和らぐそうです。

ひたすら痛みとの戦い

3時半。病院に着くと、もう一度子宮口を確認されます。助産師さんはちょっと嬉しそうに、今度は4cmほど開いている。もう準備をした方が良いと言われます。まだ破水はしていませんでいた。

妻は?、、ただひたすら辛そうです。

息を切らしながら、この時のために準備していた服に着替えます。隣に居ると、痛みの感覚がどんどん増しているのがよく分かります。痛みが増えるごとに、呼吸は大きく乱れ、表情が苦しそうになるからです。
時間は早朝4時前。助産師さんは昨晩から対応してくれていますが、本当に大変な仕事だなとつくづく思います。

辛そうな妻と一緒になって呼吸法をします。助産師さんが妻の背中をさすりますが、時折、今はさすらないで欲しいと手で合図をします。痛みのせいでほとんど喋れません。
長い時間、一緒に呼吸法をしていた気がしますが、実際にはそんなに長い時間ではなかったはず。

5時頃になって、人工破水します。痛みのピークはとっくに過ぎたらしく、妻の声色は通常の時とは全く異なります。
必死になだめてくれる助産師さんに向かって「まだなの?!(分娩台に上がるのはまだなのかと聞いている)」「早くして!(早く分娩台に連れて行けと言いたい)」と、声を荒げます。

一度、「もういや!帰りたい!」と訴えましたが、これが本音だろうと思います。

幸いなことに、僕に対して怒鳴ることはなかったのですが、妊婦さんに付き沿う助産師さんは、本当に大変な仕事なんだなと、心から思いました。出産中に妊婦さんに罵倒されるのは慣れているそうです。

この時、夫のできることはほとんどありません。出て行けと言われればすぐに出て行きます。そういう雰囲気です。たいして言葉が見つからないので、「頑張れ!」「呼吸して」とか言えるくらいです。ただ、一緒に呼吸法をしたことは、後になって感謝されました。

妻に寄り添う

不思議なことに、ここまでずっと妻の側にいて、長時間一緒に呼吸法をしたり、声を掛けたりしていると、一緒に頑張っている気持ちになります。
「男に出産の痛みなんて分かるか」と言われればそれまでですが、少なくともこの時は、必死で妻の痛みに寄り添おうとしました。

ここで夫がパニックになったり焦ったりすると、やはり迷惑だろうなという気がします。でも、パニックになってしまう人がいても全然不思議ではありませんし、気持ちは分かります。
こんなにも人が苦しむ様子を間近で見る機会は、普段はありません。気分が悪くなったり、その場に居たくないという人が居ても、気持ちは理解できます。

ただ、付き添っている間に夫が不安になったり焦ったりしたら、妻もさらに不安になるかもしれません。気持ちをしっかり持って、自分は妻の支えにならなければと思います。

出産の時

人工破水から、事態はなかか進みません。

しばらく陣痛に耐えていると、子宮口から赤ちゃんの頭が見え始めます。妻の「まだなの?!(まだ分娩台に行けないの?)」の叫び声に、「そろそろ分娩台にいこう!」という助産師さんの答えがやっと出て。準備が始まります。
妻の顔に、一瞬だけ安堵の表情が浮かびます。時刻は8時半ごろ。当初は、こんなに時間がかかるとは看護師さんも思っていなかったそうです。
最初は助産師さん一人が付きっ切りで対応していたのですが、この頃には看護師さんも来て、分娩室の準備が始まります。

分娩室へ

さあ、分娩室に行こうとなった時、「旦那さんはここに居て、あとで呼ぶから」と看護師さん。立会いは産まれる前なのか、もしくは分娩室の準備が整ってからなのか、ここらへんは看護師さんの按配で決まるようです(たぶん)。

ちょっと気が抜けましたが、その間に両親に電話をします。ここまで、深夜だったこともあり、両親に電話をする余裕が無かったことに気がつきます。
分娩室を出て待合室に行くと、早朝に連絡した妻方のお義母さんが来ています。簡単に状況を説明すると、お義母さんはすまなそうに「私は怖くてとても見に行けないわ。あの子が苦しんでる姿は見たくないし。よろしくお願いね。」と託されます。
そりゃまあ、そうだろうなと思いつつ、僕は乗りかかった船で、最後まで立会いたいという気持ちになっています。

分娩室の前で待っていると、看護師さんに呼ばれます。白衣のような服に、マスクと専用の帽子を被らされます。
分娩室はなぜか少し薄暗くて、分娩台の上だけ煌々とライトが照らされています。その周りに看護師さんと助産師さん、合わせて4〜5名が取り囲んでおり、相変わらず妻が苦しそうなうめき声をあげています。

看護師さんが、妻の顔の真横の位置に案内してくれます。ちょうど、赤ちゃんが産まれる場所は見えない位置です。これは看護師さんの配慮だと思われます。この後、切開する可能性もあります。あえて見えない位置に案内してくれたのだと思います。
妻からもその位置は見えません。見えないから、妻は何度も、「まだ?!(まだ赤ちゃんは出てこないのかと言いたい)」と聞きます。
その度に、看護師さんや助産師さんが、「今このくらいだよ!」と教えています。

看護師さんも助産師さんも、僕も、妻と一緒に「ひっひっふー、ひっひっふー(ラマーズ法)」と、一生懸命繰り返します。
分娩台に上がってからの妻は、勇敢でした。先ほどとは打って変わって、痛みを必死でこらえながら、自ら率先して呼吸をしては、力んでいます。

頑張っているのは妻です。それでも、この場にいる全員が一体になって赤ちゃんを待ちわびている感覚を感じます。つくづく、立ち会ってよかったなと感じます。
妻がここまで苦しんでいる姿は、この先よほどのことが無ければ見ることは無いと思います。この瞬間を見ると見ないとでは、出産に対するイメージは、おそらく180度変わってくると思います。

赤ちゃんの頭が見え始めてから、事態はやや硬直します。早朝、看護師さんが医師に電話で状況を伝えていました。

切開

ここで、寝癖をつけたままの医師が無表情でさっさと登場します。この先生は、妻からも他の妊婦さんからも、「態度があまりよろしくない」と噂の先生でした。残念ながら、僕も最後まで好きにはなれない先生でした。
「この先生に当たったか、、」と、少しだけ失望しますが、そんなことを言っている場合ではありません。

実は後で聞いた話によると、この先生、昨日の深夜から何度も電話で状況を確認し、早朝から出勤に備えて待機してくれていたそうです(実は真面目かも?)。

頭半分を見せて、なかなか出て来てくれない赤ちゃん。もう少し出て来てくれれば、吸引して引っ張って出してあげることもできるのに。威勢の良い看護師長さんが「頑張って!もう少しよ!もう見えてるんだから」と、現場を勇気づけます。
うる覚えですが、「もう少し頑張ったら、先生が切開して手伝ってくれるよ!」という声も聞こえたような気がします。

しばらくの時間、必死にもがいていましたが、妻の苦悶の表情と、なかなか進捗しない事態に、とうとう医師が切開と吸引を判断します。
「少しだけ切開して、赤ちゃんが産まれるのを手伝ってあげるよ。」医師から妻に、手短に説明があります。

分かってはいても、夫としては心配です。
先生は、手早く局所麻酔をかけ、ささっと切開をします。

誕生の瞬間

切開した瞬間に、一気に、空気が変わります。この瞬間だけは忘れられません。

「赤ちゃん出て来たよ!」「頑張って」「ほら、もう少し!」。看護師さん、助産師さんの応援の声が、一段と大きくなります。妻が、これまでにないくらい必死で力んでいるのが分かります。
「その調子!」「お母さんいいよ!」これまでにないくらいの大きな声で、励ましが聞こえてきます。

この時の妻の顔は、たぶん一生忘れないと思います。

凄まじい痛みが襲ってきているはずなのに、突然、満遍の笑顔に変わったのです。赤ちゃんが産まれることを知った途端、辛い表情が一瞬にして消えてしまいました。
「良い笑顔!」看護師長さんも、その場にいたみんなも、その表情を見て笑いました。妻の顔には、赤ちゃんが今この世に降りてくる喜びがみなぎっていました。

この笑顔は、今でも強烈な記憶として焼きついています。

この時の妻は、それまでにないくらい偉大な存在に映りました。「この人、こんなに強い人だったのかぁ」という、畏敬の念が湧いてしまいます。
妻にとって、我が子がこの世に降りてくる瞬間は、強烈な痛みを全てチャラにするほど、幸福な瞬間だったということです。

思わず涙が出そうになりましたが、堪えます。まだ産まれてはいません。

妻の笑顔で、分娩室全体が活気付きます。みんなで一緒にする呼吸法も、力が入ります。突然、「ひっひっふー!」の声が大きくなってきた、と思ったら「出たよ!」という看護師長さんの声が響きます。

我が子が生まれ出る瞬間の妻は、びっくりするほどの笑顔。その笑顔から、感動の涙が溢れ出ます。当然、僕も涙がこぼれます。
産まれてきた子供は、分娩台のライトに照らされて、光り輝いていました。

驚いたことに、看護師長さんも、他の看護師さんも泣いていました。感動のあまり、看護師長さんが妻と抱き合って喜んでいます。
あの医師も、その場の雰囲気に流されたのか良くわからない冗談を言って満足そうな笑みを浮かべていました(なんて言ったか覚えてない)。

まだ目も開いていない我が子に、この場の雰囲気を見せてあげたいな、と思いました。

立ち会い出産を終えた感想

「朝からいい出産に立ち会えたわ。」涙を流していた看護師長さんが言った言葉です。出産後、手際よく切開した箇所を縫合すると、その場で記念写真を撮ります。
助産師さんも看護師さんも、妻と手を取り合って喜んでくれました。この場を見ることができて、本当に良かったなと思いました。

出産に立ち会って居なかったら、妻がこれほど大変な思いをして子供を産んたという事実を知ることはできません(もちろん、話に聞くことはできますが、聞くのと見るのとでは次元が違うはず)。
どれほどの痛みなのかは、産んだ本人にしか分からないと思います。

妻がどんな大変な思いをしてこの子を産んだのか?少しでも知ることができたことで、妻に対する感謝と、女性に対する尊敬の気持ちは強くなりました。

それと、我が子に対する尊さも。

この世に産まれてくる赤ちゃんを見ていると、まさに別の世界からスポットライトを浴びてこの世に降り立つ、天使のように見えました。
あの場所で、不思議な感覚や価値観の変化が起きたのは確かです。人生の中で、滅多に遭遇できない、かけがえのない経験と言えます。
立ち会い出産を勧めてくれた妻には、本当に感謝しています。妻が、もしこのブログを読んでいたらありがとうと伝えたいです。

産婦人科のスタッフに対しても感謝の気持ちが湧いてきます。前駆陣痛の始まった深夜から、我が子が生まれる早朝まで寄り添ってくれた(散々、怒鳴られながら)助産師さん。
勤務時間外にも関わらず、ずっと妻に優しい言葉をかけ続けてくれました。本当に、ありがとうございます。

人によって受け取り方は異なるかも

ここまで書いたのは、あくまで僕の感じたことです。出産の日はまさに「非日常」でした。ネットの立会い出産を経験した夫婦の感想を読み、冷静に振り返ると、僕の場合は条件が良かったのかも、、と思ったりもします。

我が家の場合、一番良かったのは、妻が立会い出産に参加して欲しいと強く希望してくれたことです。母親学級のことを教えてくれたことも、出産についての情報を教えてくれたのも、妻。妻には感謝しています。結局、僕は何もしていないのかも。
妻が希望しなければ、立ち会い出産がうまくいくとは思えません。

トラウマになった人もいる

体験談を読んでいると、出産をする妻の苦しそうな表情や、「血」を見ることで、トラウマになってしまった、という話をよく見かけます。僕の場合、幸いなことに、そういうことは全くありませんでした。
しかし、分娩室に入る瞬間、多少なりとも不安を感じたことは確かです。切開した瞬間、血液が飛び散ったら、気分が悪くならないだろうか?そんな不安も抱きました。

僕たちが選んだ病院は、立会い出産に前向きな医院だったためか、赤ちゃんが産まれてくる方向は見えないようにしてくれていました。
助産師さん、看護師さんのサポートもしっかりしていたと思います。

自信のない人は、よく検討を

それでも、途中で何度か血液が見えたり、子宮から出てくる赤ちゃんの頭を確認しました。慣れていない人はショックを受けるかもしれません。もしかすると、自信がない方は立ち会わない方がいいかもしれません。

無理をして立ち会わない

深夜の立会いとなると、ただでさえ疲れも出て、気分も冴えないはず(妻はもっと大変ですが)。ただでさえ出産中は忙しい看護師さん。ここで夫が倒れると、ひどく迷惑をかけてしまうことになりそうです。
いろんな体験談を読んでいると、立会いたくない夫は、素直にそれを口にした方が良いような気もします。

次回も立会いたい

ここまで書いていて、あらためて思うことは、第二子の誕生に備えて、やはり僕としては次回も立会いたいなと思います。
しかし、これには奥さんの意見が第一。もし、妻が立ち会って欲しくないと言えば、もちろん立会いません。

2 Comments

daisaku666

こんばんは。ふとモリノネさんの過去のブログが気になっていた所、この記事にたどり着きました。
僕も一人息子(2歳3ヶ月)の出産に立ち会えた一人です。
理科の教員をしていることもあって、単純な知的好奇心が混ざっていたのは確かですが、あの日の感動は僕の好奇心なんて吹き飛んでしまうくらいでした。(そうそう、うちも最後に切開がありました。)
確かに僕たちは良い条件が揃っていたのかもしれませんが、母親になる女性の尊さに触れられたのは幸せなことですね。臨場感のある文章を読ませていただいているうちに、我が子の誕生を追体験してしまいました。

明日起きたら、2人に「ありがとう」って伝えたいと思います。
素敵な記事をありがとうございました。

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まーやん

こんにちは、とても長い記事を読んでくださり、ありがとうございます。
今読み返してみると、長女が生まれた瞬間の感動を思い出し、懐かしさと感謝の気持ちが湧いてきます。
出産に立ち会えたおかげで、女性に対する畏敬の気持ちや、赤ちゃん(新しい生命)に対する尊さは強くなりました。妻には今でも感謝しています。
僕も、時々この記事を読み返して妻と元気に生まれてきた子供達に感謝の気持ちを忘れないようにしたいと思います。
コメントありがとうございます。

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