以前から、フォロワーさんやYouTubeのコメント欄で編集用のパソコンはどんな物を使っているのか?と質問されます。撮影機材については別のページで紹介しましたが、パソコンや編集ソフトについては説明していませんでした。
YouTubeの編集で使っているパソコンについて紹介したいと思います。
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YouTubeの編集に使っているパソコン
2019年9月に、思い切って編集用のiMacを購入しました。それまで使っていた MacBook Proも、HD(1920×1080pixel)での編集には耐えられました。ただ、自然の風景を少しでも綺麗に表現したいという欲求が強くなり、4K編集に耐えうるパソコンを導入することに決めました。
新しいiMacで編集した4Kの動画はこちら。
新しく購入した iMac 27インチ
編集用に新しく購入した iMac の仕様は、以下の通り。
27インチiMac Retina 5Kディスプレイモデル
CPU | 3.6GHz 8コア第9世代Intel Core i9プロセッサ |
グラフィックボード | Radeon Pro Vega 48 |
HDD | 2TB Fusion Driveストレージ |
メモリ | 16GB 2,666MHz DDR4メモリ |
その他 | Magic Keyboard テンキー付きに変更 |
仕事の関係で20代前半からずっとAppleのパソコン(Mac)を使っていました。Windowsがどうとかいうわけでは全くないのですが、もう10年近くMac OSしか使っていないので、どうしてもMacを選んでしまいます。
価格面や使用するソフトウェアによってはMacではなく、Windowsを選んだ方が費用対効果が高い場合もあるのではないか、とは思います。
僕がiMacを選んだ理由
慣れているという理由以外にも、iMacを選んだ理由はもちろんあります。
Davinci Resolveとの相性
パソコンを新しくする理由の一つに、編集ソフトを変えたいというのもありました。これまで編集ソフトは Adobe Premire Proを使用していたのですが、今後はブラック・マジック・デザイン社のDavinci Resolveを使用したかったのです。
ソフトの詳細については後日にするとして、Davinci ResolveはMac OSと相性が良いということが分かりました。そのことに最初に気が付いたのは、Davinci Resolveをテストするために旧MacBook Proにインストールして使っていた時です。
このMacBook Proは後で紹介する通りCPUもGPU(グラフィックボード)も大したものではなく、Premire Proを走らせて4K編集をすると動作がモタついてきます。
にもかかわらず、Davinci Resolveに4K素材を入れてみると、意外なほど問題なく動作します。
これはどういうことかと調べてみると、どうやらDavinci Resolveの設計がMacに最適化されているらしい、ということが分かりました。
Davinci Resolveは、最近のMac OSでサポートされているグラフィックAPI ”Metal” をフル活用しているそう。多少CPUとGPUのスペックが低くても、ある程度は動作してくれるようです。
画面の見やすさと色のコントロール
モニター 一体型のiMacは、液晶画面の品質が高く、画面の色ズレを過剰に心配する必要がありません(と、個人的には思います)。
それにiMac 27インチの液晶画面には5KのRetinaディスプレイが採用されており、4K編集に適しています。あえて映像編集用にモニターを買い足す必要性も、今の段階ではあまり感じません。
Windowsマシンを映像編集用に購入する場合、マシン本体以外にも4K編集に適した解像度・品質のモニターを購入し、色のズレを補正(キャリブレーション)する必要が生じます。
厳密に言えば、iMacのモニターも不完全で、カラーグレーディング作業をしている映像をそのまま再現するにはキャリブレーションした外部モニターが必要です。
「そこまで厳密にやる必要はないのでは??」と考える方もいると思います。作る作品によっては、たしかにそこまでする必要は無いと思いますし、多少の色のズレは気にならないという方は全然それで良いと思います。
カラーグレーディングする人の場合、どうしても気になる問題ではないかと思います。
実はiMacは高くない?
さて、モニターの話は価格面にも反映されます。Macは高い、というのが世間のイメージだと思いますが、iMacは高品質なモニターが一体になっての価格です。
試しに、Windowsで同程度の構成をBTO(受注生産のメーカー)で見積もりしてみました。本体だけで比較すると、確かにWindowsでBTOした方が多少は安くなります。しかし、それに4Kモニター(映像編集に向いたもの)を別途注文すると、結局、iMacより高くつく場合が多いように思います。
iMac注文時にカスタムした箇所
ここでは、個人的にiMacを購入する時にカスタムオーダーした点を紹介しておきます。なにかの参考になればと思います。
CPUとGPU
DavinciResolveの場合、前述のMetalを活用するおかげで、そこまで高過ぎるスペックのCPUとGPUは不要なのかなと思います(もちろん高いスペックの方が良いですが、その分高くなるので)。
ただ、同じ4Kでも、60/fpsのフレームレートを頻繁に使うなら、それなりのスペックが必要ではないかと思います。
僕は、8コアのCore i9。GPUはRadeon Pro Vega 48を選択しました。
この構成で実際に編集してみた感想ですが、4K 24fpsの編集ならほとんど問題は生じません。
ただ、意外なことにLUMIX GH5の60fpsで撮影した素材を扱うと、そこそこコマ落ちします。GH5の素材は高画質な反面、データの容量はそこそこ大きいようです。
編集時にメディアを最適化して、コマ落ちを防いでいます。
HDD(Fusion Drive)
ストレージはSSDにするかFusion Driveにするかで迷いました。結局Fusion Driveを選択した理由として、4K編集に移行することで、撮影素材のデータ容量が極端にサイズアップすることでした。
だいたい1つのプロジェクト(本編にして10〜20分)で、数百ギガバイトの容量が必要になります。
Fusion DriveはSSDに比べて安価で、大きい容量を確保することができます。今回僕のiMacでは、2TBの容量を選択しました。
テンキー付きキーボード

あと、小さなこだわりですが、iMacのキーボードは「テンキー付き」のワイヤレスキーボードに変更しました。映像編集はショートカットキーを多用しますので、テンキー付きのキーボードの方が便利だと思います。
2019年9月まで使用していたMacBook Pro

上述した通り、2019年9月までは動画編集にMacBook Pro を使用していました。これは編集用に購入したパソコンではなかったため、スペックは一般的な事務や、趣味の写真の編集に使える程度にしていました。仕様は以下の通りです。
年式 | MacBook Pro 13in 2016 |
CPU | 2.9GHz Intel Core i5 |
グラフィックボード | Intel Iris Graphics 550 |
SSD | 500GB SSD |
メモリ | 8GB |
その他 | 24インチのDELL社製 外付けモニターを付けて編集 |
このMacBook ProでもHDの編集ならほとんど問題なく行えました。カラーグレーディングまで細かくやろうとしたり、エフェクトを多用するとモタついてきますが。
もし、4K編集にこだわりがない。エフェクトやテキストを多用しない編集なら、これくらいのノートブックパソコンでも十分では、と思います。
どんなパソコンを買えばいいの?
YouTubeをこれから始めようとしているフォロワーさんに、どんなパソコンを買えば良いか質問されることがよくあります。
しかし、「これ」と即答するのはなかなか難しいです。動画編集時にパソコンにかかる負荷によって、スペックを検討することになるのかなと思います。
- 編集する内容(分数)
- 4Kか、HDか
- 扱う素材(ビットレートや形式)
- 使用するソフトは
- エフェクトやテキストは多用するか
などなど。
どのような作品を作りたいか?によって、必要なスペックが変わります。実際に動画を企画して、撮影・編集してみるまでは、どれほどの負荷がかかるのか、何が必要なのか、結局は見えてきません。
自宅にすでにパソコンがある(特別なものではなくても良いので)のなら、編集ソフトを入れて実際に動作を確認してみることをお勧めします。いきなり4Kではなくても、最初はHDで充分です。
最近では、BTOメーカー(マウスコンピューターとか)からも安価な映像編集用のパソコンが発売されています。ここら辺もチェックしてみると良いと思います。
[…] ここでは細かく「どの機材がどう変わった」などは省きます。ブログ「モリノネ」に書いてありますのでどうぞ。 […]