2019年の機材紹介ページでも書いた通り、YouTubeの動画撮影ではこれまでソニー α7Siiをメインで使っていましたが、GH5に移行しました。
ここまで一貫してミラーレスカメラはソニーのカメラを使ってきました。YouTubeの視聴者やフォロワーさんの中には、驚いた方もいるかもしれません。
個人的にちょっと大きな出来事でもあるので、そこの理由をあらためて説明しておきたいなと思います。
Contents
α7SiiからGH5に移行した理由
理由1:GH5の操作性
好みが分かれるところではあると思いますが、α7SiiとGH5で操作性を比較してみると、GH5の方が操作しやすい、、と、個人的には思います。
まず、バリアングル液晶は、自撮りや車内撮影でも便利。自撮りもしやすいので単独で完結したい映像制作では有利な機能です。

次にボタンの配置。頻繁に操作したいボタンが手の届きやすい位置に配置されています。例えば、ホワイトバランスとISO、露出補正。ファインダーを覗きながらいずれかを選択し、ダイヤルで数値を変えられるよう人差し指の導線に沿ってデザインされていることが分かります。

オートフォーカスの切り替えもファインダーを覗いたまま、レバーで操作できます。
タイムラプス(インターバル)撮影機能が内蔵されていることも有難い。タイムラプス撮影は、メニュー画面から項目を設定できます。

カメラ上部にあるダイヤルを回すことで、すぐにタイムラプス撮影モードに切り替えられることも、すごく気に入っています。

理由2:小型化
YouTubeで旅やキャンプの動画を定期的に撮影している方なら分かってくれると思いますが、携行する道具はカメラだけではありません。カメラ機材の他に、キャンプ道具、食材、衣類や洗面用具など、たくさんの荷物を持ち運ばなければなりません。
僕の場合は一人で撮影することが多いので、荷物の軽量化は重要な問題。
カメラ機材はそこまで大きくないように思われそうですが、レンズ数本とバッテリー数個、三脚などを含めると、決して馬鹿にならないサイズです。
α7シリーズは、一眼レフカメラに比べれば確かに小型化されています。しかし明るさに優れた大口径のレンズを揃えていくと、かなりの大きさと重さになります。
今後はもっと遠くを旅しながら、いろんな場所を撮影したいと思っています。そうなると、カメラは1台ではなく2台。 レンズも単焦点レンズ数本と、ズームレンズも必要になります。
MFTはカメラ本体も小さいですが、なによりもレンズ群が軽くて小さい。にも関わらず、シネマクオリティのボケ味や画質の良さを実感できます。
理由3:BMPCC 4Kとのマウント共通化

GH5と共に導入した新しいカメラが、BMPCC 4K(ブラック・マジック・ポケット・シネマカメラ)。サイズは若干横長ですが、このサイズ感に反して驚異的な画質で撮影できるシネマカメラです。今後は、シビアなカラーグレーディングが求められる撮影では、BMPCC 4Kを積極的に活用していこうと考えています。
実は、このカメラのマウントもMFT。僕としては、BMPCC 4Kの導入は諦めたくなかったのですが、α7Siiと2台で運用しようとすると、レンズが増えて荷物が多くなってしまいます。
そこで、GH5とBMPCC4Kの2台をメインに考え、レンズを共通化することにしました。
理由4:ボケ味に優れたフォクトレンダーレンズ
MFTマウントのカメラを導入するにあたり、一番気になっていたのはボケ味です。ご存知の通り、センサーサイズが大きいほど滑らかできれいなボケ味が得られると言われています。
しかし、今回フォクトレンダーのNOKTONシリーズを実際に使ってみたところ、とても味のあるボケ味を得られ、すぐに気に入りました。「これならMFTでもいける」と思ったのです。
しかも、このレンズはサイズが小さくて軽量です。

映像プロダクションを経営する知人から、NOKTONレンズ3本をお借りして使ってみたのですが、すぐに購入を決断しました(僕が購入したのは、NOKTON 25mm F0.95です)。
まだ2本の動画しか撮影していませんが、NOKTON 25mm F0.95は、シネライクな映像には向いていると思います。
以下は、ほとんどGH5とNOKTON 25mm F0.95のみで撮影した映像です。
たしかに、ボケの滑らかさで言えばこれまで使ってきたSONY FE35mm F1.4には敵いません。
しかし、どことなく荒削りでノスタルジックな雰囲気という意味では、NOKTONの方が雰囲気があるような気さえしてしまいます。
ソニーαシリーズはもう使わないの?
ミラーレスカメラはソニーと考えてきた僕ですが、これからはカメラを適材適所で使い分けていこうと思っています。決して、αシリーズは使わないということではありません。どのカメラも個性があり、使い方次第ではないかと思います。
α7Siiは、趣味の写真撮影では変わらず使うと思います。
ただ、今後の映像制作に関して言えば、今後はMFTの機材を追加購入する可能性が高いかなと思われます。
先のことは分からないのですが、今のところ、そんなふうにぼんやりと考えています。
機材について、ご質問などあればコメント欄にいただけると嬉しいです。
how about NOKTON 17.5mm F0.95?
The NOKTON series can shoot very brightly in dark areas. I shoot a lot of night scenes, so it was the best choice for me. It also has fantastic bokeh that creates a nostalgic atmosphere. Most of my new videos are shot with this lens. If you’d like, please take a look.
https://www.youtube.com/watch?v=4xMeWBILrAA
こんにちは。
モリノネ動画、作風に惚れてGH5の購入を検討していますが、NOKTONの0.95は絞るとカッチとした画像になるのでしょうか?
主に京都の社寺を撮っているので、助言いただけると助かります。
今はキャノンのフルサイズでF2.8ズームを多用してます。
マッキー様
モリノネの動画を気に入っていただき、ありがとうございます。カチッとした画像ということで、おそらくシャープで解像感のある動画を撮影されたいということかなと想像します。
個人的な感想ですが、GH5は画素数もそこそこあり、解像感や精細度は予想以上に満足しています。NOKTON F0.95ですが、どちらかというとやや粗さがあり、ノスタルジックな描写に近いように思います。ボケ感は素晴らしいです。
こちらの動画は、6割以上をGH5とNOKTON F0.95で撮影しました。 https://youtu.be/4xMeWBILrAA
GH5でシャープでキレのある描写を、ということであれば、OLYMPUSの M.ZUIKO PROシリーズなど個人的に良さそうかなと思いました。なにか参考になれば幸いです。
こんにちは。
早速のアドバイスありがとうございます。
想像以上のシャープさ明るさで驚きましたが、是非使ってみたいレンズです。今までCANON党で来たのでEFレンズしか使ったことなかったのですが、LUMIX、OLYMPUSレンズを使うのが楽しみです。EFレンズもマウントアダプターを使って持ち込み、さらにマイクロフォーサーズも増やしたいと思います。これから動画も撮って行きたいと思います。
今、GH5ポチりました。届くのが楽しみです。
これからも動画楽しみにしています。
ちなみにLUMIXは自社製品ですので、これからもをよろしくお願いします。
Your film is amazing. Its very cinematic. Do you use ND filter? Which kind of ND filter do you use?
Every time I shoot a video, I use an ND Filter. I use MARUMI and K&F Concept products. Both are very adjustable products, and I recommend them because the adjustability is easy to use. Thank you.
はじめまして。GH5やBMPCC関係の情報をネット検索していて、拝見いたしました。
私は、GH5をメインで使用していたところにBMPCC4Kを追加で導入して、現在設定など試行錯誤しています。
BMPCC4Kのbraw素材の印象として、グレーディング耐性は素晴らしいですが、GH5よりもやや解像感がおとなしいというかソフトな印象を受け、カリカリの解像感を求めるならGH5なのかな、と感じました。
こちらの記事にて、精細感やグレーディングが求められる撮影ではBMPCC4Kを…と書かれていますが、解像感・精細感の点でGH5と比較して、もしよろしければ印象をご教示いただければと思いました。
もともと、BMPCC4Kはあまりそういう部分を求めるカメラではないのだろうとは思いますが、個体差なのかどれもそうなのか、ちょっと気になって質問させていただきました。
南様、お返事が遅くなってしまい申し訳ありませんでした。
解像感、精細感についてですが、あくまで個人的な印象を申し上げると、BMPCC4Kの解像感、精細感はGH5に優っているように感じます。
ただし、BMPCC4KのBlackMagic RAWデータは、グレーディングのやり方次第では彩度が低く、淡い感じがして一見すると精細さに欠けるように見えることがあります。僕の場合、グレーディングに慣れていなかった頃は、コントラストを上手く付けられずにのっぺりした感じの仕上がりになっていました。
GH5は優秀なので、H.264形式のデータはコントラストがくっきりしており、一見するとGH5の方が高解像、高精細に見えます。もちろんV-log形式で撮影すると、グレーディングのやり方次第ではのっぺりした映像になってしまいますが。
見当違いな回答をしておりましたら申し訳ありません。
モリノネ様、ご返信まことにありがとうございました。
その後、素材に対していろいろグレーディングを試しまして、リプライでお書きいただいたようなことを実感しつつあります。
これまではコントラストが適切に出せていなかったようです。その点も注意してグレーディングすると、じゅうぶん精細ですね。
特に最終がHDR出力でしたらコントラスト・ダイナミックレンジいずれも損なうことなくグレーディングできて、より真価を発揮できる印象です。
ただ、SDR出力のときのグレーディングのバランスがなかなか難しく、試行錯誤が続きそうです…。
またYouTubeの動画なども参考にさせていただきます!